2018/7/8「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

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    7月の読書会のお知らせです。

     

    テーマは「装丁・造本」。

     

    今回のテーマは紙の本ならではの楽しみである「装丁・造本」。

    店頭で思わずジャケ買いした本、好きな装画のある本、手ざわりのよい本など、お気に入りのものをご紹介ください。


    日時 7月8日(日) 13時30分〜15時30分

    場所 郁文堂書店 (山形市シネマ通り)

    会費 600円(ちいさなおやつ付)

    定員 9名

     

    *お飲み物が必要な方はご持参ください。

     

     

    参加のお申込はメールでお願いします(幹事:五十嵐)。

    申し込み先↓
    185yamagata@gmail.com まで。

     

     

     

     

     


    2018/2/4「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:光 または 影

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      185読書会レポート

      日時:2018年 2月4日(日)14時〜16時

      場所:シャンソン物語

      テーマ:光 または 影

      幹事・レポート:青翰堂分店

       

      「2月の読書会と言えばシャンソン物語」と、ここ数年定番化しております。今年もお邪魔いたしました。参加人数は4名と大変ミニマムだったため、みなさんの語りが深くなり、おのずといつもにも増して濃密な時間となったのでした。

       

       

      1.亡羊堂さん

      『キルプの軍団』 大江健三郎 岩波書店

      大江健三郎の小説には、ほとんどと言ってよいほど長男“光“君が登場します。しかし、この本だけは弟の“オーちゃん”が主人公です。

      彼は高校生の男子で、青春の光と影が描かれていて、若い頃に読んだ自分にとっては最高の青春文学でした。

      小説では、主人公が翻訳のないディケンズの「骨董屋」を原文で読み続けているという設定で物語が進みます。この中に登場人物として高利貸しの「キルプ」が出てきます。

      このディケンズの本、実はかつてちくま文庫から翻訳が出ていたのですが、現在絶版で自分も「上」しか持っていません。ぜひ「下」も入手して揃えたいものです。

       

       

       

      2.嵐田詩子さん

      『パンとペン』 黒岩比佐子 講談社

      幸徳秋水の親友・堺利彦に光を当てたノンフィクションです。

      幸徳秋水はアナーキストとして世に知られ、大逆事件で死刑にされた人物(ただし実際には大逆罪に該当していなかったそうです)。親友だった堺利彦もかつて「戦争反対」を新聞で唱え、当局に目をつけられていたのですが、親友の死後、文章よろず屋の「売文社」を立ち上げて、社会主義的な活動から距離を置いてその後の人生を生きました。

      「売文社」は「人のために遺言も書いた」と言われる文筆集団で、堺自身は文章を売る事をいやしい事のように自虐的に言っていたようですが、人柄がよく多くの人を惹きつけました。作者黒岩さんもそのひとりでした。

      黒岩さんは古書市で資料を探すなどして、有名人として散ってしまった幸徳秋水とは対照的な堺の人生を丹念に追っています。

       

       

       

      3.あんさん

      『ねずみの騎士デスペローの物語』 ケイト・ディカミロ 子安亜弥訳 ポプラ社

      「光=希望/影=絶望」と人生の折り合いをつける物語です。

      児童書・ファンタジーのジャンルですが、内容はリアリズムが強く、作者の「作品を制作した意図や読者に感じて欲しいこと」がとてもはっきりしています。

      主人公のデスペローは他のネズミと違って、人間の本を読み、その内容を理解できたハツカネズミ。そして、本で知った“光のよろいをつけた騎士“になり、人間の姫に恋し、姫を守りたいと願います。でも、人間の女の子に恋をしたため、ネズミ界でさげすまれてしまいます。背信を訴えられた、ある日処刑されてしまい、地下のドブネズミ界に落ちていきます。

      光へのあこがれ、自分の人生への絶望、地上に戻りたいという夢・・・。局面ごとに作者が「あなたならどうする?」と問いかけてきます。

      作者は9.11のテロ後、自分の作品が役に立つのかという葛藤を抱えて書いたのだと語っていました。

       

       

       

      4.青翰堂分店さん

      『光の犬』 松家仁之 新潮社

      北海道東部の架空の街・枝留に住む添島一家100年のクロニクル。“歩“という姉と“始“という弟を中心にしながら、4代に渡る北海道犬(血がつながらない犬たち)も登場しつつ物語が進んでいきます。

      100年も、ある家族を書くということは、結局人生の終わっていく様を、何人もの姿を通じて描いている小説だとも言えます。楽しい話ではないが、悲劇というわけでもなく、終わりに向かって、淡々とあるがままを引き受けていくしかないのだという印象を受けました。それがまさしくリアルな人生というものではないだろうかと。

      松家さんの、情景描写がとても好きです。この小説でも、田舎から出てきた高齢の両親の姿を都会の風景の中で見て、その老いを強く感ずるといった情景が描かれていたのですが、とても染み入りました。

      この本を読んで、今回の読書会のテーマを「光」にしたのですが、「光の犬」というタイトルについては、読んだ後「なぜだろう?」と疑問が残りました。いつか読んだ方と意見を交わしてみたいところです。

       

       

       

      以上になります。

      引き続き、185読書会をどうぞよろしくお願いいたします。

       

       

       

       

       


      2018/4/15「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

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        4月の読書会のお知らせです。


        テーマは「花」。

         

        今年の冬は長かったような気がしませんか?

        次は新しい春がやってきます。ドライブを楽しみながらぜひお出でください。

        『ドルチェ』のスイーツ食べ比べつき!です。


        日時 4月15日(日) 午前10時〜12時

        場所 楯岡地域市民センター(和室)

        会費 500円(茶菓代として)

        定員 8名程度

         

        参加のお申込はメールでお願いします(幹事:井上)。

        申し込み先↓
        185yamagata@gmail.com まで。

         

         

         

         

         


        2017/10/1「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:紅、あるいは赤

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          185読書会レポート

          日時:2017年10月1日(日)14時〜15時
          場所:あべくん珈琲
          テーマ:紅、あるいは赤
          幹事:あん
          レポート:あん

           

          読書の秋、紅葉の季節。今回はみなさんに赤い本を集めてもらいました。ジャンルはさまざま、色とりどりの赤が鮮やかです。

            今回は初参加の方、飛び入りの方と、新顔がいっぱい!

           


          1.嵐田さん
          『血族』 山口瞳 文春文庫
           著者の出生にまつわる闇を、50歳を過ぎて探り出す作品。ルーツを知りたいという切実な思いがひしひしと伝わります。自分の母が色町出身であったという部分が、かなり掘り下げられていたそうです。山形にも色町の名残である地名があり、そう考えるととても身近なテーマに考えられました。女性の近代史としても読める作品です。

          著者の顔写真と思われる画像が真っ赤に加工されて表紙を飾っており、題名も内容も装丁も、生々しい赤を表現していました。

           


          2.ことさん
          『ある少女にまつわる殺人の告白』 佐藤青南 宝島社
           『このミス』受賞作品でもある本作も、装丁が真っ赤! 今回のテーマにぴったりな外観で、内容はミステリ×虐待。インタビュー形式で少しずつ明らかになっていく、少女が生きるために犯した殺人事件の真相には、陰惨なエピソードが多く、あらすじを聞いただけで参加者から悲鳴があがるほど。

           語り手であるインタビュアーは誰なのか? 殺人を犯した少女の将来は? とハラハラさせらるストーリーです。 

           


          3.あん
          『バーティミアス』 ジョナサン・ストラウド著 金原瑞人訳 理論社
           表紙が真っ赤、という理由で私もこちらを選定しました。イギリスでヒットしたファンタジー小説であり、ハリーポッターを追随するとも言われました。魔法使いが特権階級としてロンドンを支配する世界で、主人公は魔法使いになるべくして育てられた超高飛車、下克上上等!な男の子。彼が使い魔として召喚した悪魔・バーティミアスとのコンビで成長、出世していくストーリー。主人公にボロボロになるまでこき使われ、罵詈雑言を吐きながらも仕事をしなければならないバーティの姿に、涙が(笑いも)。

          この作品は井上さんからおすすめされて出会い、とても面白くてつい全巻そろえてしまった思い出のシリーズです。

           

          『コリアンダーと妖精の国』サリー・ガードナー著 斎藤倫子訳 主婦の友社

            こちらも表紙が真っ赤で、イギリス発のファンタジー作品です。清教徒革命時代のロンドンで、継母からいじめを受ける孤児のコリアンダー。彼女に手を差し伸べてくれる人はおらず、虐待の末、衣装箱に押し込まれてしまいます。死んだと思われていた少女は、衣装箱から妖精の国へ訪れていたのです。

          著者は数々の児童文学賞を受賞し、失読症を克服した小説家としても話題になりました。

           

           

          4.おへひょさん
          『セブン』デヴィッド・フィンチャー監督
           飛び入り参加の方です! あべくん珈琲でワークショップを行っていた「ひょうたん作家・おへひょ」さんが、昼食のフレンチトーストを食べながら飛び入り参加してくださいました笑

           紹介してくださったのは映画「セブン」。七つの大罪をモチーフにした連続猟奇殺人事件の、流血の赤をモチーフに語ってくださいました。ワークショップで「ハロウィンのかぼちゃ風インテリア」を創っていらしたので、その流れで「首を切られるシーンを見てください」とのこと。とても多弁で博識な方で、読書会は笑いも話も止まらない盛り上がりになりました!

           


          5.KEIKOさん
          『インド・沙漠の民と美』 岩立広子 編集 用美社
           今回初参加のKEIKOさん。読書をあまりしない、とのことでしたが、お持ちいただいた東南アジアの民族衣装の写真集には、ほかの方々も見惚れて回し読み。ツアーなどで現地にも赴き、肌で感じた体験や買い求めた貴重な織物などもとても魅力的でした。自分の好きなものを追い求め、身に着ける姿は輝いて見えますね。

           

           

          6.パガニャーニャさん
          『紅しぼり』 岡部伊都子 著

           こちらも飛び入り参加、おへひょさんのお友達の方です。紹介して下ったのは馴染みの本屋さんから譲り受けたという、岡部伊都子の処女作にして初版本。若い感受性の強さを感じるという本書には、パガニャーニャさんのお父さんとの思い出も蘇るそうです。パガニャーニャさんの本名に纏わるエピソードも語られ、思わぬ深い話に感動してしまいました。

           

           


           今回は読書会の参加募集から開催まで日がなかったため、少ない参加者ですこしさびしくなるかも、と思っていた幹事でしたが、飛び入り参加の方や、あべくん珈琲のおかげでとても賑やかに過ごせました。

           

           

           

           

           

           

           

           

           


          2018/2/4「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

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            新年あけましておめでとうございます。

            今年もヒトハコ読書会・一箱古本市@山形実行委員会をどうぞよろしくお願いいたします。

             


            2月の読書会のお知らせです。


            テーマは「光。もしくは影」。

             

            「光」からご自身が連想される本であけばどんな本でも構いません。

            まばゆいばかりの主人公が活躍する小説、

            光が印象深く描かれた小説や写真集、

            光年光速の本、

            こもれびを浴びたように温かくなれる本、

            稲妻に打たれたような衝撃を受けた本 などなど。

             

            こじつけ大歓迎です! どうぞお好きな本をご紹介ください。

            また「光」あるところに現れる「影」から連想される本もお待ちしています。


            日時 2月4日(日) 午後2時〜4時

            場所 シャンソン物語(山形市旅篭町2-2-25)

            会費 お店でオーダーをお願いします。

            定員 8名程度

             

            参加のお申込はメールでお願いします(幹事:五十嵐)。

            申し込み先↓
            185yamagata@gmail.com まで。

             

            締切は2/1(水)を予定しています。ご参加、お待ちしております!

             

             

             

             

             

             


            2017/11/19「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:ブック・オブ・ザ・イヤー2017

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              185読書会レポート
              日時:2017年11月19日(日)11時30分〜14時
              場所:吾妻屋(河北町)
              テーマ:ブック・オブ・ザ・イヤー2017
              幹事:嵐田
              レポート:嵐田


               今回は新そばの季節に合わせて、2017年を振り返りながらお蕎麦屋さんでのヒトハコ読書会となりました。幼児に小学生、20代からおじ様世代までなんとも多彩な年齢層が集まりました。窓の外は雪がちらつく中、河北町名物の冷たい肉そばをすすりながら何が語られたのでしょうか。(冷たい肉そばは話をしながらでもあまりのびなかったかも?)順番は威勢よくジャンケンで決めました。それでは、始まります。

               

               

              1.あんさん
               多人数の中、一番を当てたのは社会人二年目のあんさん。女に生まれ、「女の子らしくしなさい」と言われて育てられ、息苦しく感じていたというあんさん。化粧もスカートもリボンもピンク色も嫌。「あなたは女なのだから〜」という差別発言に顔をそむけて生きてきたけど、社会人になって「装う」のは自立と義務の両方を兼ねているのだと実感したそうです。そんなあんさんが紹介してくれたのは、『鏡よ、鏡』 飛鳥井 千砂 双葉社。社会に出たばかりの女の子たちが仕事と化粧、恋に奮闘する話です。自分自身に重ね合わせられる部分もあり、励まされたとか。
               この後、場の女性陣が遭遇したジェンダー差別体験が次々と、ほとばしるように出てきました。その勢いたるや今日はこれだけで話が終わりそう!でした。この状況に男性陣もヒヤヒヤ。いつかこれをテーマにすると決めてひとまず仕切り直しです。

               

               


              2.さやさん
               福島から駆けつけて下さったさやさんからは『運命ではなく』ケルテース・イムレ 国書刊行会『世界と僕のあいだに』タナハシ・コーツ 慶應義塾大学出版会『コードネーム・ヴェリティ』エリザベス・ウェイン 創元推理文庫の三作をご紹介いただきました。今年読んだこれらの本ですが、いずれも不条理との対峙というテーマが感じられたというさやさん。ある本から得たひらめきや連想が次の本に結び付くこと。この面白味がさやさんの読書の歓びのひとつでもあるそうです。

               

               


              3.嵐田
               そばがきを注文して、アツアツのうちに食べようと焦りながらなんとか大方食べ終えて紹介したのは、これも連想読書の一例だったかもしれません。今年、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した『蜜蜂と遠雷』恩田陸 幻冬舎の作品世界をイメージした『蜜蜂と遠雷 音楽集』というCDが六月に出ました。作品中の人物が弾くリストの「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」という曲が気になっていました。そこへ読んだ『湯殿山の哲学』山内志朗 ぷねうま舎 にこのアッシジの聖フランチェスコのことが紹介されていました。このフランチェスコとは?と興味を掻き立てられつつ伝記映画『ブラザーサン・シスタームーン』を見て、さらに2016年、満を持して藤城清治の影絵『アッシジの聖フランシスコ』が女子パウロ会から刊行されていることを知りました。こうなったらもう、評伝を読むしかないと現在『アシジの貧者』ニコス・カザンツァキ みすず書房 を読んでいます。今年も様々な争いや事件が絶えない世界でした。年の残りに心静かに読みたい一冊です。

               

               


              4.井上さん
               今年第二子を出産され、久々に参加いただいた井上さんからは『ビリー・リンの永遠の一日』 ベン・ファウンテン 新潮クレスト・ブックス をご紹介いただきました。9.11後のアメリカ。19歳のビリーが属するブラボー分隊がイラクの戦闘で功績をあげ、一気に全米のヒーローになります。勝利の凱旋ツアーをし、二日後にイラクに戻るその日の数時間をビリーの視点で濃密に描き出します。アメリカの日常的なバカ騒ぎとイラクの戦地生活が対比されてやるせなさが募ります。19歳にしてすでに悟りを得たかのようなビリーが世界の矛盾や隠された真実を語ります。
               そして、もう一冊は『まるごと本棚の本』グラフィック社。ディスプレイして楽しむ自由な本棚の在り方がここにあります。木工が得意な方にも参考になるかも。

               

               


              5.いのうえさつきちゃん
               すでに読書会デビューは果たしていたものの、ママと共に久しぶりのさつきちゃんです。一冊目は『ちいさなヒッポ』マーシャ=ブラウン 偕成社。さつきちゃんのお気に入りの場面はワニにヒッポがつかまってしまうところ、ヒッポがカバの言葉を練習しているところ。ワニにかぶりつくお母さんのたくましさにも感動しました。
               もう一冊は『おにのサラリーマン』富安陽子 福音館書店。いろんな地獄の中でさつきちゃんが好きなのは“こちょこちょじごく”。みんなでお酒を飲んでいる場面も好きだそう。ここで片隅にいた“ひとのサラリーマン”からぼそっと小さなため息が聞こえてきました。残業地獄?この絵本で癒されて下さい!

               

               


              6.亡羊堂さん
               まずは今年出店した各地の一箱古本市の模様からお話しいただきました。会場に向かう途中であった車の事故にまつわるあれこれなど、今年も精力的な活動のエピソードを面白く聞かせていただきました。紹介いただいたのは今年の直木賞受賞作、『月の満ち欠け』佐藤正午 岩波書店。ミステリ、SF的なストーリーですが魅力的な文章で、リアルな生活感のある表現もいいとか。なんでもペンネームの「正午」は正午に鳴るサイレンの音を聞いてから小説を書くという習慣からきているといいます。このほか、同じ著者の『鳩の撃退法』小学館、『身の上話』光文社 もご紹介。本に出てきた宝くじ高額当選者に配られるというある冊子が欲しいという話になり・・・年末ですね。

               

               

               

              7.青翰堂分店さん
               青翰堂分店さんからは、松本の一箱古本市で出会ったという『仙人の壺』 南伸坊 新潮社 をご紹介いただきました。古い中国の怪異小説を漫画とエッセイで紹介し、力の抜けたシュールな世界が楽しめるそうです。オチで終わらない放っておかれる感覚も面白いとか。敷居が高いというイメージの中国文学ですがこんなにヘンで面白いとは。
               そしてもう一冊は、夏の文庫フェアのしおりが欲しくて選んだという『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル 延原謙訳 新潮文庫。今年はホームズ生誕130年でもあり、すっかりホームズにはまってしまったといいます。一番面白く読んだのは『バスカヴィル家の犬』深町眞理子訳 創元推理文庫。謎解きやヒース(イギリス特有の荒れ地)の記述が面白いとか。ホームズシリーズは訳についてもかなりいろんな論議や味わい方があるようで、初めてホームズの世界に踏み入れていったフレッシュな感動が伝わってきました。私も、いつかホームズ。

               

               

               

              8.愚者の楽園さん
               今年は体調がすぐれないことが多くあまり読書に専念できなかった、という愚者の楽園さん。その中で今年最大の読む気にさせる釣り針!とご紹介いただいたのが『シャーロック・ホームズ完全解析読本』北原尚彦監修 宝島社。現代日本最強のシャーロキアン、北原尚彦監修のホームズ入門書です。一見薄っぺらいこの本の中に正典60編に加え、主要なパスティーシュ(模倣作品)まですべて網羅されています。人気ドラマ『SHERLOCK』のライトなファンを写真やイラストで引き込み、ドラマ内の原作ネタについても解説するという徹底ぶり。小憎らしいくらいに「読んでみようか?」と誘います。
               さらに、雑誌『群像 12月号』講談社 に「なぜシャーロック・ホームズは「永遠」なのか―コンテンツツーリズム論序説」の記事が掲載されています。
               愚者の楽園さんの語りを聞いていたら、真正のシャーロキアンがここにいるのでは?という気がしてきました。(本人は否定)青翰堂分店さんに続いてのシャーロック熱に場はすっかり包まれました。

               

               


              9.庄司圓さん
               小学六年生の圓さんがお母さんと共に参加してくれました。ご紹介いただいたのは『新訳 星を知らないアイリーン おひめさまとゴブリンの物語』ジョージ・マクドナルド 河合祥一郎訳 okamaイラスト 角川つばさ文庫。ゴブリンという化け物に狙われるおひめさまと同じ名前の謎のおばあちゃま。謎解きと冒険の物語です。作者のジョージ・マクドナルドはファンタジーの父と言われ、ルイス・キャロルにも影響を与えたといいます。同じくつばさ文庫で同じ訳者、イラストの『新訳 ふしぎの国のアリス』『新訳 かがみの国のアリス』もとてもおもしろいという圓さん。okamaさんのイラストをとても気に入っていて、物語を読んでイラストに描かれた細部を見て新たな発見をしたりするそうです。
               紹介を終えて、本の表紙を裏返した圓さん。「色あせるのがいやだから」という姿に次世代の読者を見ました。

               

               


              10.庄司陽子さん
               一年ぶりにご参加いただいた庄司さんからは『すべての見えない光』アンソニー・ドーア 新潮クレストブックス をご紹介いただきました。第二次世界大戦中のフランス、サン・マロ要塞を舞台に盲目の少女マリーとドイツ兵ヴェルナー少年が出会う五日間の物語。サン・マロの空爆と二人の過去を交互に交えながらの構成が見事で、見えない音、電波、匂い、触角の描写も印象に残ったそうです。戦争という悲しい物語なのですが、いたるところに光が散りばめられていて心に残ったそうです。
               やや涙ぐみながら語る庄司さんから、物語のエッセンスが伝わってくるようでした。たまたま旅行で秋田に行ったとき、戦時中のラジオが展示されているところに行って物語の感動が増したというお話もいただきました。

               

               

               

              以上、たっぷりの内容でしたがどの本も味わい深くて、濃い内容でした。改めて本の世界の無限の広がりを感じさせてくれた読書会となりました。

               

              それでは、また来年。よいお年を。

               

               

               

               

               


              2017/8/28「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:夜

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                185読書会レポート

                日時:2017年8月28日(月)19時〜21時
                場所:紙月書房
                テーマ:夜
                幹事:嵐田
                レポート:嵐田

                 

                 夜に読書会をするのだから、夜をテーマに本を選んでみようと思い立ちました。ところが、参加予定の方々が体調不良や時間の読み違いで次々に倒れるという波乱の幕開け。暑かった夏の疲れが出る時季でもありました。

                 そんな晩夏の夜に、ブックカフェのキッチンからはコオロギの声が音高く響くのでした。

                 

                 


                1.横山和江さん
                『ファニー 13歳の指揮官』 ファニー・ベン=アミ 岩波書店

                 13歳の少女がユダヤ人の子どもたちを率いてナチスから逃れ、スイスへ逃亡する旅の記録。夜闇にまぎれて行われる連行と逃亡の繰り返し。本人からの聞き取りを基にした実話です。表紙のファニーが握りしめているのは一冊のノート。ここに旅の出来事を綴っていました。あまりに辛い記憶がとどまったままのノートは彼女の体験の象徴のようです。


                『うきわねこ』 蜂飼 耳 著 牧野 千穂 絵 ブロンズ新社
                 まずは絵の美しさに目を奪われてしまいます。満月の夜の描写や鮮やかな色使いが見ごたえのある絵本です。

                 

                 


                2.嵐田
                『たくさんのふしぎ 2008年5月号 夜へ行こう』 中野純 文 中里和人 写真 福音館書店

                 いつもの町の見慣れた風景も、ただ暗いというだけで昼間と全然違う雰囲気になります。感覚も自然と鋭くなります。その感じが好きで、昔は夜中の散歩にたびたび出かけていました。この写真絵本はそんな夜独特の感覚をとらえていて、共感しました。


                『やまがたキャバレー時代』高橋義夫 阿古耶書房
                 夜の盛り場、キャバレーが山形でも栄えた時代がありました。これは山形市小姓町に昭和30年から40年代に賑わったキャバレー“ソシュウ”の記録。今年はこのソシュウを取り上げた本が相次いで出版され話題を呼びました。もともと小姓町はかつての遊郭があったところです。語り継がれにくい世相史として見え隠れする人間模様がまた興味深いです。

                 

                 


                3.亡羊堂さん
                『あやかしの夜 エロチック・ファンタジイ』 岡田鯱彦 あまとりあ社

                 夜、というテーマで亡羊堂さんに期待されるものは何か、に忠実に選書いただいたものがこちらです。パラフィン紙に包まれた本は鶴岡の老舗古書店、阿部久書店で○○万円で購入したもの。本格ミステリが主な作家だそうですが「こういうのも書いてたんだ」という意外性も値段に加味されているのでしょうか。

                 

                 

                 

                4.しまちゃんさん
                『「賢い子」に育てる究極のコツ』瀧 靖之 文響社

                 今年の春にお子さんが生まれたばかりのしまちゃんさん。この本は弟さんにプレゼントされたものだそうで、夜、寝転がりながらサラッと読めるくらい読みやすかったそうです。そういえば、版元の文響社は今年『うんこ かん字ドリル』が大ブレイクしましたね。好奇心が脳を刺激する一例でしょうか。


                『青の祓魔師(エクソシスト)』 加藤和恵 集英社 ジャンプコミックス
                 青の夜に生まれた対照的な性格の双子の兄弟が悪霊退散をする物語。様々なサタンやミステリアスな生き物が登場し、その本格的な知識と兄弟ものという設定にはまったといいます。

                 

                 


                5.ひろぽんさん
                『学習と科学 別刷読み物特集号』より「真夜中の太陽」 学研
                 その昔、学研の『科学と学習』という小学生向けの学習雑誌がありました。歌まであって、ある世代の人にはすぐ口ずさめるほど人気でしたね。今回初参加のひろぽんさんにお持ちいただいたのは、1976年に発行された『科学と学習 5年・6年の読み物特集』です。その中に収録されている「真夜中の太陽」ロッド・サーリング原作 という話がたいへん面白く、ずっと心に残っていたといいます。SF的な話で、熱く迫る太陽の描写にゾクリとしました。

                 

                 


                 以上、ちょっぴり冷や汗をかいた幹事でしたが、皆さんのあたたかいとりなしに勇気をいただいて無事に会を納めることができました。コオロギは店が終わっても、カフェの片隅で夜中鳴き続けているのでしょうか。

                今夜はコオロギに花束を。

                 

                 


                 


                2017/11/19「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

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                  11月の読書会のお知らせです。



                  今年最後の一箱山形の読書会です。 雪が降る前ギリギリ、新蕎麦をいただきながら楽しくいきましょう。

                  日時:11月19日(日)11時30〜14時

                  場所:吾妻屋(西村山郡河北町谷地乙62)電話0237-72-2024

                  料金:お店のメニューの中から各自好きなものをご注文下さい。

                  冷たい水で仕込んだ肉そばは当地の名物です。
                  メニューは他に干し柿の天ぷらやなめこと合わせたむきそば、かいもちなど。手頃な料金でいただけます。

                  テーマ:ブックオブザイヤー2017

                  今年読んで面白かった、感動した、印象的だった本なら何でも。

                  参加するには、事前に申し込みが必要です。

                  申し込み先↓
                  185yamagata@gmail.com まで。

                  募集締め切り:11月13日

                  ※直前のキャンセルはなるべく避けていただけますようお願いします。

                  幹事:嵐田


                  2017/10/1「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

                  0

                    10月の読書会のお知らせです。

                     

                    読書の秋、近づいて来ましたね。

                    今回はモタモタしている時間がない日程になってしまい申し訳ありませんが・・・

                    紅葉のように真っ赤な本、お待ちしております。

                     

                    開催地は上山!2回目です。

                    またまた阿部くんのところにお邪魔します。

                    新装開店した『あべくん珈琲』、とっても素敵な場所ですよ(^^)

                     

                    日時:10月1日(日)15時〜17時

                    場所:あべくん珈琲(上山市矢来4-17-56)

                    料金:お店でワンオーダー

                     

                    テーマ:紅(くれない)

                    紅葉の時期ということで、紅をテーマに一冊、いかがでしょう?

                    真っ赤な表紙の本や、タイトルに赤が入っているなど、

                    「赤っぽいな〜」と思ったもの、なんでもオーケーです!

                    秋や山をモチーフにした本や、赤毛のアンやトマシーナなど「紅色」が登場人物のイメージになっているものでもおもしろいですね。

                    赤川次郎、尾崎紅葉を読むきっかけにもどうぞ(^^)

                     

                     

                     

                    参加するには、事前に申し込みが必要です。

                    申し込み先↓
                    185yamagata@gmail.com まで。

                    募集締め切り:9月30日

                     

                    ※駐車場をご利用の方はお知らせください。

                    幹事:あん

                     

                     

                     

                     

                     


                    2017/6/17「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:ジャック

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                      185読書会レポート

                      日時:2017年6月17日(土)14時〜16時
                      場所:CHOCOLATE Lab. YAMAGATA内コミュニティスペース
                      テーマ:ジャック
                      幹事:愚者の楽園
                      レポート:青翰堂分店


                      岩波をこよなく愛する愚者の楽園さんから告げられたテーマは「ジャック」。
                      えー人名??かつてない斬新なテーマ設定。しかし、なにゆえにジャック?
                      当日明かされたテーマ設定の謎は、『会場のCHOCOLATE Lab. YAMAGATAさんのチョコレートパウダーが「Jacques Torres Chocolate」だから』というものでした。
                      意外すぎて2度ビックリ!
                      馴染みのある名前ではありますが、いざ本棚を見まわしてみたら、意外になかった。。という参加者も続出。ハードなテーマに挑んだみなさまのおすすめ本はいかに。



                      1.横山和江さん
                      『これはジャックのたてたいえ』 シムズ・タバック フレーベル館

                      ジャックが主人公の絵本を探しましたが、あまり見つからず・・・。読みきかせに合う本を選びました。
                      積み重ね歌がベースになっていて、ページが進むにつれてどんどん登場するものが増えます。
                      「これはジャックのたてたいえ」の次は、「これはジャックのたてたいえにあるチーズ」「これはジャックのたてたいえにあるチーズを食べた猫」のように。
                      早口で読み聞かせをするとみんな喜びます。絵もカラフルです。

                      『ゆかいなゆうびんやさん』シリーズ
                      ジャネット・アルバーク/アラン・アルバーク 文化出版局

                      ゆうびんやさんシリーズの中から、『ゆかいなゆうびんやさんのだいぼうけん』を持ってきました。
                      ジャックと豆の木がモチーフのひとつになっている仕掛け絵本です。ゆうびんやさんが、豆の木に住む赤ちゃんがおとした巨大なおしゃぶりで頭を打ったところから話が展開します。みんなが知っているいろんなお話が登場します。仕掛けが満載で、お値打ちです。



                      2.奥羽売文社さん
                      『黒執事』 枢やな スクウェア・エニックス

                      個人的に19世紀に関心があります。そして19世紀のジャックといえば「切り裂きジャック」です。
                      この本は、19世紀の史実をベースにしつつ、ファンタジー化した精緻なストーリーが魅力。ビクトリア朝の服装やチェス盤など、細かい所まで資料に基づいて描かれています。



                      3.嵐田詩子さん
                      『チボー家の人々』 マルタン・デュ・ガール 山内義雄訳 白水社

                      主人公のジャック・チボーを心の友人とする高野文子のコミック「黄色い本」と合わせて読みました。コミックでは主人公の女の子の日常にチボー家のジャックがしみ込んでいる様子がとても印象的です。
                      「チボー家の人々」全五巻のうち、二巻までしか読んでいません。いつか、いつか完読したいです。

                      『ジャックの正体』井上ひさし 中公文庫
                      井上ひさしらしい視点から捉えたミニエッセイ。
                      中に映画を題材に書かれたものがありました。映画を見てこれほどの洞察ができたら、カッコいいです。



                      4.しまちゃん
                      『孤独な旅人』ジャック・ケルアック 中上哲夫訳 河出文庫

                      ケルアックは作家のほかに冒険家でもあり、アメリカ大陸をよく放浪していたようです。これは、彼の伝記のようなもので、彼の生きた第2次大戦前後のアメリカのイメージがわきやすいです。
                      形容詞が多くて、「これはどこにかかっているのか?」と思うなど、最初は非常に読み進めるのが難しいですが、次第に慣れてきて楽しくなります。



                      5.あんちゃん
                      『人名の世界地図』21世紀研究会編 文春新書

                      蔵書に「ジャック」が見たあらず、ひねりをきかせて「ジャック=人名」という発想をさせていただきました!
                      大好きな洋画の俳優の名前など、ちょっとしたところで楽しい発見ができる教養本です。キレイな響きの名前だなと思っていたら、姓名の由来の意味を知って「えっ!」となったり。
                      名前が、とても身近で大切なものだと実感させられます。



                      6.青翰堂分店さん
                      『火を熾す』ジャック・ロンドン 柴田元幸訳 スイッチ・パブリッシング

                      短編集で、表題は極寒のユーコン川からの生還を目指す男の物語。火を熾さないと死んでしまうわけです。ジャック・ロンドンは実用的な、そぎ落とされた文体が持ち味。ストレートな表現で描かれる、絶望と希望が交互にやってくる緊張感漂う感じが好きです。
                      この話は村上春樹の短編「アイロンのある風景」にも登場し、主人公が変わった解釈を展開しています。



                      7.愚者の楽園さん
                      『ジャック・ロンドン放浪記』ジャック・ロンドン 川本三郎訳 小学館

                      「白い牙」「荒野の呼び声」の作者ジャック・ロンドンの自伝です。子どもの頃、動物を主人公としたこれらの小説がすごく好きでした。
                      この本では、「ホーボー」と呼ばれる19世紀末アメリカの放浪者としてのジャック・ロンドンの生活がいきいきと記されています。子どもの頃の憧れの作者に、カツアゲとか物乞い、ホラ話の吹き方なんて、教えて欲しくなかったです・・・・。




                      みなさんの紹介本は以上です。

                      CHOCOLATE Lab. YAMAGATAさんのNY直輸入のチョコレートドリンク、今まで飲んだことのない深い味わいで、一同うっとり。ベーシックなクラシックをいただきましたが、忘れがたいおいしさでした。他の味も試したいです。

                      次回の読書会は8月下旬の予定。詳細が決まりましたら、ブログ・ツイッターでお知らせします。





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