2016/10/30「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:泥棒

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    日時:10月30日(日)12:00〜14:00
    場所:そばやかた樽石(村山市)
    テーマ:『泥棒』
    幹事:井上
    村山市在住の幹事ゆえ、このたびは蕎麦ランチ読書会!県外からも蕎麦好き&本好きが村山へ来てくれましたよ〜。
    1.嵐田詩子さん
    『外套・鼻』ゴーゴリ/著、平井肇/訳、岩波書店

    貧しく風采の上がらない役所勤めの男が、ついに外套を新調します。初めて新しい外套を着て友人宅に出かけた帰り、町の広場で強盗に遭い、外套を奪われてしまいます。ロシア文学を久しぶりに読んでとても面白かったです。「鼻」は、鼻を盗まれる話で、笑えます。

    『悪のしくみ』松田哲夫/編、あすなろ書店
    井上ひさしが本屋で万引きしたエッセイもオススメです。
    また、夫婦がビッグマックを強奪する『パン屋再襲撃』(村上春樹/著、文藝春秋)と書店で広辞苑を万引きする『アヒルと鴨のコインロッカー』(伊坂幸太郎/著、東京創元社)も紹介してくださいました。
    2.愚者の楽園さん
    『妖怪男ウォッチ』ぱぷりこ/著、宝島社

    ブログが書籍化しました。ロジカルシンキングを恋愛の領域に持ち込んだ珍書です。恋愛における妖怪男子を分類している「妖怪の章」はユーモアたっぷり、論理性たっぷりの解説もおもしろいのですが、本番は「退散の章」です。・自分の好き嫌いを把握し、・自分の幸せを自分で決めて、・自分の輪郭をくっきりさせる、という人生に通じるお札つき。
    …皆さんの周りに妖怪がいなかったことがショックです。
    3.庄司陽子さん
    『モモ』ミヒャエル・エンデ/著、大島かおり/訳、岩波書店

    時間どろぼうに盗まれた時間を取り戻す女の子の話です。子どもの頃に夢中になって読んだ覚えがあります。大人になった今、読み返すと時間どろぼうの描写が更に怖く感じられます。
    『ナツコ 沖縄密貿易の女王』奥野修司/著、文藝春秋
    夏子は終戦直後の混乱した沖縄で密貿易の女親分と呼ばれました。戦争によって全てを失った沖縄人が立ち上がり、生きる力を取り戻す過程と重ね合わせてしたたかに強く生きる姿がかっこいいのです。
    『王様達のヴァイキング』さだやす/著、小学館
    情報泥棒ということで、ハッキング物の漫画です。サイバー攻撃は世界中に広がる新たな戦場とされますが、ハッキング・クラッキングによるスパイの現状はすごいことになっているなと恐ろしく感じます。
    4.井上 由香
    泥棒はリアルでは珍しいと思いますが、本の世界にはけっこういると思いました。テーマ『泥棒』に決めたきっかけの本を紹介します。
    『どろぼうのどろぼん』斉藤倫/著、福音館書店
    どろぼんはどろぼうの天才です。今まで千回もどろぼうをしているけれど、一度もつかまったことがありません。その天才が偶然にも刑事につかまり、取り調べを受けることに。そこでどろぼんの物語が語られます。どろぼんが盗み出すのは、持ち主から忘れ去られたモノ・がらくたです。どろぼんにはがらくたからの声が聞こえるのでした。そしてある時、声はモノではなく生きものから聞こえてきて、ここから物語がぐっと濃密になります。パステルカラーを基調とした挿絵がページの随所にちりばめられていて、この本の魅力を高めています。挿絵は牡丹靖佳さんで、『おうさまのおひっこし』(牡丹靖佳/作、福音館書店)という絵本はいつまでも眺めていたいほど素敵です。
    5.灯書房さん
    『驟り雨』藤沢周平/著、新潮社

    短編10話のうちの1話です。盗人が八幡様の軒先で雨宿りをしています。嘉吉は研ぎ屋が本職ですが、盗人もする。激しい雨が降っているため、入れ替わり立ち代わり人々が雨宿りにやって来ます。同じ軒先で束の間、様々な人間関係が展開されます。藤沢周平はおすすめの作家です。
    6.コメ(愚者楽・夫)さん
    『ヤバい経済学』スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー/著、東洋経済新報社

    普段難しいと思われがちな経済学を、インチキ・不正・犯罪などをテーマに身近な話で説明しているので、興味がない人でも読みやすいと思います。因果関係を明らかにする中で、私たちの予想とは異なる要因が明らかになって、知的好奇心が刺激されます。
    7.ばったりたおれ屋さん
    『I Want My Hat Back』Jon Klassen ,Walker Books (日本語版『どこいったん』ジョン・クラッセン/作、クレヨンハウス)

    クマがなくなったぼうしを取り戻す話です。クマがうつろな目つきでいろいろな動物にぼうしを見なかったか聞いて回ります。日本語版では、はっきり書いていないオチも原書ならではで分かります。
    8.亡羊堂さん
    『美しき鬼』(『蠅男』)海野十三/著、ポプラ社

    肺や腎臓など二つある臓器は一つに、腸は三分の一に縮めるなど縮小人間を作ってしまうマッドサイエンティストが登場します。名探偵・帆村荘六が活躍する一作です。ジュブナイル版の『美しき鬼』は貴重です。
    他にも同作家の『敗戦日記』(橋本哲男/編、講談社)など貴重な蔵書の数々を紹介してくださいました!
    雰囲気のあるお蔵で、蕎麦も本も堪能しました。私がいただいたのは「ぶっかけそば(温)」。ざるに比べて太めの蕎麦に、だしが香る甘めのつゆ。大きいかき揚げもついて…あぁ幸せ!寒いときは、温かい蕎麦もおすすめですよ〜。

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      • 2017.05.18 Thursday
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