3/16「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:みどりの本

0

    日時:2015年3月16日(月)19時〜21時
    場所:紙月書房
    テーマ:みどりの本
    幹事:嵐田

    長い冬がようやく終わりに近づき、待ち遠しいのは“みどり!”というわけで185読書会初の色モノに挑戦しました。今回の参加者はいつもより少なめの5人で、そのうち初参加の方がお二人となりました。それぞれの本の森に分け入って、それぞれのみどりが萌えた読書会。では始まります。



    1.硝子がひかりさん

    『秘密の花園』 三浦しをん マガジンハウス

     一箱ではおなじみですが、読書会は初めての硝子がひかりさん。最初に自己紹介がてらイラスト入りの名刺をいただいてご自身の創作活動についてお話しいただきました。

     三浦しをんが大好きで、その作品の中でも一番好きだという本書はサイン本。サインをもらった時に、三浦さん本人もこの作品が一番好きだとお話しされたそうです。舞台は高校のミッションスクール。硝子がひかりさんもミッションスクール出身で感情移入して読み進めたそうです。大人になりきらない少女の、時に残酷で綱渡りをするような不安定な心の動きが細やかに描かれているそうです。





    2.嵐田

    『森は生きている』 サムイル・マルシャーク作/湯浅芳子訳  岩波書店

     ロシアの児童文学です。小学生の頃に一度読み、真冬の最中にマツユキソウを探しに行く少女と森の情景が思い出されて再読しました。みずみずしいマツユキソウがどんな花なのか気になり、スノードロップという白い花を咲かせる球根植物だと知りました。清楚な花と人間模様の面白さ、ロシアの冬の森の描写など大人でも読み応えのある美しい物語です。


    『カンガルー・ノート』 安部公房 新潮文庫

     足の脛にかいわれ大根が生える男の話、と伝え聞き興味本位で読んでみました。悪夢の連続のようなエピソードながらそれがどれもユーモアに満ちていて、哀しくも可笑しいのです。「安部公房は初めて」と告白したら、常連参加者の亡羊堂さんは新作が出るたびに読んでいたと、ファンだったことが明らかに。(山口果林『安部公房とわたし』も読んだそうです。さすがです。)






    3.しましまさん 

    『ベジタブル・ハイツ物語』 藤野千夜 光文社文庫 

     表紙が明るい黄緑色の本を取り出したしましまさん。二階建てのアパートの部屋にはアボカド、ブロッコリーなどと野菜の名前が付けられています。これは、それぞれの部屋に住む住人と大家さんの日常を描いた物語。人物たちは交流はせず、すれ違いのままそれぞれの時間を生きています。その微妙な距離感がぐっとくるとのこと。町田康の解説も読み応えあるそうです。

     


    4.横山和江さん 

     今回初参加の横山さんは、児童文学の翻訳をされています。翻訳物の面白さを伝えたいとのことで、3冊の本をご紹介いただきました。

    『グリーンフィンガー 約束の庭』 ポール・メイ作/シャーン・ベイリー絵/横山和江 訳 さ・え・ら書房

     これは、横山さんご自身が翻訳された児童文学です。舞台はイギリス。学校生活になじめない識字障害を持つ12歳の少女が農場に引っ越しして庭を作る物語。イギリスでは緑を育てるのが上手な人を“Green Finger”といいますが、少女は庭を作りながら成長し、やがて障害も克服していきます。挿絵もご紹介いただきながらお話を聞いていると、物語の世界に引き込まれていきました。ちなみに、緑を育てるのが下手な人は“Brown Finger”というのだとか。そのうち、【茶色】がテーマの読書会もしようかな。


    『ふしぎなガーデン』 ピーター・ブラウン作/千葉茂樹 訳 ブロンズ新社

     工場だらけの町を緑いっぱいにする少年が主人公の絵本です。最初の茶色い町が描かれたページと、緑がいっぱいになった町のページを見比べるように子どもたちに読み聞かせすると、印象が強く残るとのことでした。緑の連鎖反応とそれが再生する様子は、清々しい明るい気持ちにさせてくれます。 


    "The Town Mouse and the Country Mouse"
    An Aesop Fable Retold & illustrated by Helen Ward 2011, Templar
     

     イソップの『町のねずみと田舎のねずみ』の絵本で、まだ日本では翻訳されていません。まずは琳派か⁉と見まごうような金色の表紙に目を奪われました。ページをめくれば微細に描かれた植物や動物、ケーキやクリスマスツリーにプレゼント・・・とめくるめくような美しい絵が現れて、場は一気に感嘆に包まれました。こんな絵本は見たことがありません。いつか、日本でも出版されますように。




    5.亡羊堂さん 

    『魔女の森』 W.H.ハドソン 香山滋訳 偕成社(児童書版)/『緑の館』 W.H.ハドソン 柏倉俊三訳 岩波文庫 

     熱帯のジャングルで繰り広げられるロマンあふれる愛の物語。亡羊堂さんは小学生の頃に読んで至極感動し、後年になって当時読んだものと同じ版を古本で購入されたそうです。凝った装丁に茶色になったページは古本の貫録十分。硝子がひかりさんが鼻を近づけて「いい匂い!」と言うと、みなで次々と「回し嗅ぎ」をしてしまいました。 

     話の方は、大人になって読み直して「なんであんなに感動したのかな?」と首をかしげる亡羊堂さん。娘さんに薦めても、あまり手ごたえがなかったとか。




     この後、時間を超えて本を再読することについてや、最近面白かった本の話、どこの書店でどんなフェアをやっているとか、次々と話題が飛び出して予定の21時を回ってしまい・・・。蜜のようにゆるやかな滋味のあるお話をさせていただきました。次回は5月の開催を予定しています。ご参加お待ちしております。






     

     


    1/11「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:ブック・オブ・ザ・イヤー 2014

    0
      日時:2015年1月11日(日)15:30〜17:30
      場所:市民活動支援センター 会議室
      テーマ:ブック・オブ・ザ・イヤー 2014
      幹事:青翰堂分店


      新年、初顔合わせとなった1月のヒトハコ読書会。2014年に、おのおのの中で印象深かった本を持ち寄りました。 185事務局ファミリーに加わったかわいい赤ちゃんもママと一緒に初参加しました!


      1.かわごえゆりさん
      『せんねんまんねん』まどみちお著/童話屋

      “まどみちお”というと「ぞうさん」をはじめとして童謡詩人のイメージが強いですが、普通の詩も書いています。
      ユーモラスでシンプルで深い! 日常を見る目が変わります。
      3行の詩を読んで、そのタイトルを当てるなんていう楽しみ方もできます。

      『本なんて読まなくたっていいのだけれど』幅允孝著/晶文社
      昨年、個人的に注目度NO1だった幅允孝さん。そのブックディレクター幅さんのエッセイ集です。ゆるっとした雰囲気の中にも、本に対する愛情が感じられる一冊です。
      “ヒューマンスケール”という言葉が印象的でした。
      子供時代の本の思い出のエピソード(『ジャンプ』ばあさん、ツケにしてくれた本屋さんとおこづかい制度の話)、面白かったです。



      2.わたなべさん
      『風待ちのひと』伊吹有喜著/ポプラ社

      しっとりした大人の恋愛物語。
      若い時の一喜一憂する恋愛も楽しいけれど、精神のつながりを大切にする大人の落ち着いた恋愛もいいなぁ、、、と思った一冊です。心にしみます。

      『ニューヨークの魔法使い』 シャンナ・スウェンドン著/創元推理文庫
      “NY版 ブリジット・ジョーンズの日記”というだけあって、ひとりの女性の成長が純粋に楽しく思える物語です。
      この本の舞台はニューヨーク。街では人々に交じってひそかに魔法使いが暮しています。主人公は地方から出てきた20代半ばの女性。彼女は魔法使いではないのですが、魔法が効かない人間で、他の人には見えない魔法使いたちが見えるのです。その能力を見込まれてスカウトされ、現在魔法制作会社に勤めています。
      魔法使いVS魔法使いのバトルも面白いですが、主人公とそれを取り巻くハンサムな男性達との恋愛模様も、ドキドキして楽しめます!



      3.嵐田詩子さん
      『黒異本』外薗昌也著/廣済堂出版

      本から目を離すことができずに、一日を費やした本。
      知人がこれを読んでいる最中に、“部屋に飾っていたフィギュア人形が全部ひっくり返る”という怪異に出会ったと聞いて興味を持った本です。
      読後感が悪く、胸が悪くなるような 2014年のワースト・オブ・ザ・イヤー!!!

      『日本の野鳥650』平凡社・『フィールドガイド日本の野鳥』日本野鳥の会
      バードウォッチングにはまってしまい、写真と絵の二種類の図鑑を購入。観察力を養い、種を特定するのに使用。
      “ヒューマンスケール”=“紙の本”のハンディタイプの図鑑を愛用していきたい。



      4.しましまさん
      『天文年鑑2014』誠文堂新光社

      1年間で一番ページをめくった本ということで持ってきました。山形では天文観測ができる場所があります。9月の昼の土星食 等、よい思い出になりました。

      『娘の家出』志村貴子著/集英社
      「ジャンプ改」に短期連載したコミック(雑誌は残念ながら現在休刊)。
      タイトルそのまま“家出する娘たちのおはなし”です。両親が離婚した女子校生まゆ子を主人公にした1話から、周辺の娘たちの連作。何気ないことがおもしろく描かれています。



      5.ことさん
      『FKB饗宴7』平山夢明他著/竹書房文庫
      黒木あるじさんの怪談の講義を受ける機会がありました。FKB(不思議で怖くて不気味な話)のシリーズはよく読んでいますが、怪談の書き方を知って読むと今までと違う見方ができて、とても面白かったです。
      印象に残った書き方のひとつが、自分の五感のどこを使って描写するのかという話。目で見たものばかりを描写し続けるのではなく、目⇒目⇒鼻⇒耳の順で感じたものを書くとよいとのことでした。

      『果てしなき渇き』深町秋生著/宝島社文庫
      山形県在住の作家深町秋生さんの小説です。この本面白いのですが、深町さん自身のお話を聞く機会があり、「取材はせずに調べて書きあげている」とか、「フードコートやカフェで執筆している」という話を聞いて再読したら、更に面白かったです。

      『●→人→●(従點到點)』徐冰著 注:タイトルの「人」の部分には人型のピクトグラムが入ります。
      これは記号だけで書かれた海外の本。昨年の一箱古本市で買いました。おそらく香港の本と思われます。
      記号だけなのに、読むことができて、読み切った後の達成感は本当にすごかったです。ある意味世界共通語の本です。 
      以下がその本のページの一部↓↓





      6.青翰堂分店さん
      『フランス組曲』イレーヌ・ネミロフスキー著/野崎歓他訳/白水社

      作者はフランスで活躍したキエフ生まれのユダヤ人女性。その彼女がユダヤ人として追い詰められながら、同時代の第二次世界大戦下を生きる人々を描いた小説です。のちに作家はアウシュビッツへと送られて戻らず、未完の書となっています。こうした背景がありつつも、物語がユダヤの悲劇を声高に訴えるのではなく、多彩な人間模様として描かれている点に驚きました。
      当時の製作メモと彼女や夫の書簡が巻末についています。命の危険が迫る中でも小説を書き続けてしまう作家の性が感慨深かったです。

      『火を熾す』ジャック・ロンドン著/柴田元幸訳/スイッチ・パプリッシング
      20世紀初頭の作家の短篇アンソロジー。どの話も白黒がはっきりする結末で、今読んでも面白いです。訳者の柴田元幸さんが発行している雑誌「MONKEY」ではジャック・ロンドンの特集号が2014年に出ました。今、再評価されつつある作家のようです。



      7.松田さん
      『新釈遠野物語』井上ひさし著/新潮文庫

      “山形ゆかりの作家さん”というのがきっかけで手に取り、一気に読んでしまいました。
      原作を知らなくても大丈夫です。意外なラストが・・・!!
      紙月書房さんで購入しました。



      8.亡羊堂さん
      『椋鳥日記』小沼丹著/講談社文芸文庫

      非常に地味な作家であるが、久世光彦『昭和幻燈館』を読み、小沼丹を知る。
      その中で紹介されていた『村のエトランジェ』は当時入手困難で古書価も高く、入手できた今回紹介の『椋鳥日記』などから読みはじめ、好きになった作家。
      この本の帯には「会心の長篇小説」とあるが、エッセイと言ってもよい。私小説作家として紹介される事もあるが、私小説にありがちな“どぎつさ”はなく、ユーモア(とぼけた?)があり、味わいのある筆致に引き込まれる。



      9.あんさん
      『トマシーナ』ポール・ギャリコ著/矢川澄子訳/角川文庫 

      とにかく愛です! 人間愛、家族愛、動物愛、猫愛・・・・。
      猫好きと言えば、ポール・ギャリコ。その代表作です。
      飼い猫の死をきっかけに愛娘まで失いかけてしまう孤独な獣医マクデューイの葛藤の物語です。ストーリーの中心、猫トマシーナの人間をあざけるかのような語りとの温度差がおもしろい。
      夏に長期滞在した京都の古本屋さんで、表紙が金子國義の絶版本を入手。『まぼろしのトマシーナ』版もあります。

      『フィオナの海』ロザリー・K・フライ著/矢川澄子訳/集英社
      美しいミントグリーンの表紙にひきつけられます。本文のインク、スピンまでグリーン。
      ゆったり組まれた組版、挿絵、ストーリーまで風通しよくて、美しい。

       

      おのおのの過ごした2014年の日々が、持ってきた本に透けてみえた気がしました。

      2015年はどんな本が、どんな出来事が毎日を彩るのでしょうか。また、聞かせてくださいね。





       

      3/16「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

      0
        3月の読書会のお知らせです。


        日時:3月16日(月)19時〜21時

        場所:紙月書房

        会費:600円(1ドリンク付)

        テーマ:【みどりの本】
        物理的に緑色でも、植物でも、名前でも・・・。



        参加するには、事前に申し込みが必要です。


        申し込み先↓

        185yamagata@gmail.com まで。



        お待ちしています。



        1/11「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ

        0
          今年もお世話になりました。

          さて、新年の読書会のお知らせです。


          日時:1月11日(日)15時30分〜17時30分

          場所:市民活動支援センター会議室A (霞城セントラル23階)

          会費:200円(茶菓子付)

          テーマ:『ブック・オブ・ザ・イヤー2014』

          2014年に読んだ中から、印象深かった本をご紹介ください。
          「面白かった本」だけでなく、「時間返して欲しい〜本」でも、よいですよ!


          ※読書会の後、18時位から、行きたい方で新年会をしたいと思います。
          お時間がある方は是非!



          参加するには、事前に申し込みが必要です。



          申し込み先↓

          185yamagata@gmail.com まで。



          お待ちしています。









          10/27「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:時代小説

          0
            日時:2014年10月27日(月)19時〜21時
            場所:紙月書房
            テーマ:時代小説
            幹事:嵐田

             今年初めての木枯らしが吹いた夜、紙月書房さんにて185読書会を行いました。テーマは“時代小説”。若い女性が多いこの読書会では異色のテーマで「本がみつからない!」との声が続出しましたが、敢行いたしました。その結果は如何に。では始まります。



            1.あんさん 
            『執事とメイドの裏表』 新井潤美 白水社

             16世紀〜20世紀のヨーロッパ、特にイギリスの使用人事情を記した資料本。少女漫画や外国ファンタジーで題材にされやすい“貴族もの”をちょっと踏み込んで楽しむことができます。使用人が多く描かれる作品も紹介されているので、趣向の同じものを探すのにも役立つとのことでした。
            『くまみこ(1)』 吉元ますめ KADOKAWA/メディアファクトリーコミックス
             流行に取り残された東北が舞台。東北人のあるあるネタが満載です。例えば「OIOI」でマルイって読むの?とか近くのユニクロまで車で一時間など、東北の女の子ならではのあれこれに頭をなでなでしてあげたくなるような気持ちになるそうです。
             児童文学やファンタジーが好きというあんさんらしく、その時代背景がわかる執事ものと、東北の時代錯誤ぶりが描かれたコミックという“時代小説”が登場しました。




            2.たまやさん
            『水滸伝(三)』 岩波文庫
            『三国志(一)』 吉川英治歴史時代文庫 講談社

             たまやさんが読書体験の初期の頃に親しんだという二冊をご紹介いただきました。古い中国の“時代小説”は勢いがあり、人物の強さを五行に渡って描写したりという壮大さもあるとか。中国の文学を見直したい気持になりました。




            3.渡辺さん
            『小袖日記』 柴田よしき 文藝春秋

             現代に生きる女性が意識だけ平安時代にタイムスリップし、源氏物語の共同制作者の一人として活躍するというストーリー。平安ものの“時代小説”が出ました。




            4.愚者の楽園さん
            『雪の峠・剣の舞』岩明均  講談社コミックス

             今回、“時代小説”のテーマに戸惑い、ウィキペディアで検索したというグシャラクさん。明治以前の日本を題材にしたものとのことで本棚からようやく見つけたのがこれ。歴史ものの面白さは「現代と結びついた時」を知るところというグシャラクさん。主人公の苦労の報いが現代の秋田市とつながったところで感動したそうです。タイトルの『雪の峠』は戦の隠喩になっており、関ヶ原の戦いで負けた者たちの頭脳戦が描かれます。そして、すさまじいラストには思わず「やられた!」とうなってしまうオチがあるそうです。それは読んでみてのお楽しみですね。
             



            5.亡羊堂さん
            『魔群の通過』『くノ一忍法帖』 山田風太郎 角川文庫

             どちらかというと“時代小説”というより歴史小説になるのではという水戸天狗党の乱を描いた『魔群の通過』は、茨城の那珂湊から敦賀で斬首されるまでの行軍の記録が地図付きで紹介されています。一方、“時代小説”としては『くノ一忍法帖』をご紹介していただきました。シリーズのどれもが艶めかしい表紙のイラストに一同やや興奮気味。にやにやしながらそれを見守る亡羊堂さんのコレクション、ここで日の目を見ることになろうとは。(笑)




            6.井上さん(web参加)
            『楡家の人々 全三巻』 北 杜夫  新潮文庫

             育児休暇中の井上さんから、本を紹介文とともに提供していただきました。「ぐいぐい引き込まれて一気に読んだ」とのことで、モデルとなった斎藤茂吉の家系図も添えてありました。多彩な登場人物とそのエピソードが魅力なだけでなく、密接に関わる時代背景も読みどころの“時代小説”だということです。びっちりと貼られた付箋と綿密な紹介文に驚嘆しつつも、「読んでみたい」との声があちこちで上がりました。井上さん、ありがとうございました。




            7.青翰堂分店さん
            『大江戸歳時記捕物帳 冬の巻』坂口安吾ほか  河出文庫

             ご本人が東京独居OL時代に、日々の忙しさからの逃避としてお風呂の中で読んでいたという一冊。江戸の町や季節の行事などがノスタルジックでいいリラックスタイムになったということでした。少しふやけたページが物語りました。
            『優雅なのかどうか、わからない』 松家仁之 マガジンハウス
             “時代物”の家が登場する小説。著者のデビュー作『火山のふもとで』と同様に建築描写がたっぷり楽しめるそうです。編集者である主人公に古い家を貸すおばあさんがカッコよくて惹かれるとのことです。表紙の写真も印象的な一冊です。
             



            8.しまうまさん
            『王昭君』 藤水名子 講談社

             この日、中国の“時代小説”を取り上げたお二人目。紀元前30年代の前漢の時代に生きた薄幸の美女、王昭君の物語をご紹介いただきました。著者は恋愛小説を得意としているそうで、美しく強い女性として王昭君が魅力的に描かれているとのこと。古代中国のロマンに浸ってみたくなりました。
             



            9.山田正一郎さん
            『至福千年』 石川淳 岩波文庫 

             今回初参加の山田さん。古書で購入したという本書は、幕末の江戸で隠れキリシタンが天下をとるべく暗躍する物語。多彩な登場人物は乞食や非人などの社会の底辺にいる人たちが主です。江戸時代の名所への憧憬も合わせて楽しみたい一冊。




            10.川越ゆりさん
            『ザ・ギバー 記憶を伝える者』 ロイス・ローリー 講談社

             “時代小説”の時代が近未来にいった選書がこちら。あまりにこじつけだと恐縮するご本人でしたが、お話しを聞くうちにこの本の魅力に一同が惹きつけられました。11歳の少年の視点で語られる日常を通して一見平和に見える未来社会の実態が少しづつわかっていくプロセスが面白いとのこと。ラストの解釈が読者にゆだねられている部分も興味深いです。アメリカの児童文学に与えられるニューベリー賞受賞作。




            11.嵐田
            『橋ものがたり』藤沢周平 新潮文庫

             橋を行き来する人々の愛情や人生を描いた短編集。中でも「約束」に描かれた幼馴染の男女の眩しいような心のやりとりに泣けました。井上ひさしの解説がまたぐっときます。雨のそぼ降る日にしみじみと読みたい一冊です。
            『生きる』 乙川優三郎 文藝春秋
             2002年直木賞受賞作。藩の殿様が病死したのに追腹をしなかったとして、世間の白い眼にさらされる主人公。タイトルの「生きる」が重く突き刺さります。人の心の醜さと清々しさを、また弱さと強さをこれでもかと描いた名作です。




             以上、時代小説の定義とその解釈をどうするか、それぞれの変化球の妙が冴えながら、様々な本が登場しました。思い入れの強かった幹事だけがど真ん中ストレートの選書となりました。後ろのカウンターで見守って下さる紙月書房のご主人の「藤沢周平は何度読んでもいい」との言葉にうなずきつつ、いつかみんなもきっと時代小説の泣き所にはまる日が来るのだ!と布石を打ったつもりで閉会となりました。外の寒さとは裏腹に本を語る熱と愛がほわほわとあたりを巡るようでした。
            ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。




             

            8/24「185(ひとはこ)読書会」レポート/テーマ:サイ

            0
              日時:2014年8月24日(日)14時〜16時
              場所:市民活動支援センター 会議室
              テーマ:サイ
              幹事:嵐田

               曇天模様の昼下がり、高層ビルの一角で185読書会が行われました。今回のテーマは「サイ」。祭、西、菜、再、才、災・・・サイはどのような文字に変換してもOKということでお題を出したところ、それぞれに発想いただいたサイ本をお持ちいただきました。では始まります。

              1.永山ゆらさん 
              『ディズニーランドという聖地』 能登路雅子 岩波新書

               ディズニーランドは非日常のお祭り空間というイメージですが、これはアメリカ人にとってのその意味や思い入れを解説した本です。西部出身のウォルト・ディズニーにとって、自然は豪雪や砂嵐などを巻き起こす脅威そのもの。そんな自然に打ち勝つ願いもこめて、夢のような国=ディズニーランドを作ったということです。『オズの魔法使い』もアメリカ人のフロンティアスピリットが表れた話だという永山さん。そんな視点で読んでみても面白そうです。 




              2.嵐田
              『食堂かたつむり』 小川糸 ポプラ社

              『想像ラジオ』いとうせいこう 河出書房新社
              『わたしが好きな和の生活』 きくちいま 河出書房新社
              『よあけ』 福音館書店(細谷亮太氏の好きな本ということでご本人に)
               実はこれ、すべて手持ちのサイン本なのです。サイと振りながらサインとこじつける、ちょっと強引でしたが、すべて思い出の詰まった本ばかり。大切にしまっておきたいです。



              3.笠原さん
              『盆おどる本 盆おどりをはじめよう!』 盆踊ろう会 青幻舎

               この夏発売されたばかりのこの本は、盆踊りのいわれなど、盆おどるために知っておきたいことがよくわかるとのことです。これほど盆踊りを楽しくわかりやすく紹介した本はなかったのではと笠原さん。怪談店長としてこの夏大活躍でした。盆踊りにはもともとご先祖様が参加できるように笠を被り、顔を隠して踊るところが多いようだと話すと、わたなべさんが、地元の盆踊りの様子を写真に撮ると、必ず白いもやが映り込んでいると言い、盆踊りの鎮魂的な意味にも思い至りました。




              4.わたなべさん
              『晩鐘 上・下』 乃南アサ 双葉社

               『風紋 上・下』の続編。ある事件の加害者、被害者双方の家族のその後にスポットを当てた作品です。お互いの心理描写が緊密に描かれながら、傷ついた家族が再生していく様子がドラマティックに描かれています。分厚い作品ですが、長さを感じさせないとのことです。



               
              5.愚者の楽園さん
              『ブッダのことば スッタニパータ』 中村元 訳 岩波書店

               グシャラクさんのサイは、この本の蛇の章にある「犀の角」。家族や友人とのしがらみも、欲やあらゆる感情も断ち、「犀の角のようにただ独り歩め」と教えるこの言葉。繰り返されると強い印象を残します。後にニーチェが自著で展開したものとの相似が感じられ、思想を勉強するダイナミックな面白さを味わったということです。 




              6.亡羊堂さん
              『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー 角川文庫

               有名な人造人間フランケンシュタインですが、その話自体がほとんど読まれていないとのことでご紹介いただきました。フランケンシュタイン博士が死者を再生させて作ったものは醜い怪物で、次々と人間たちに復讐をしていくというストーリーだということです。そもそも、フランケンシュタインとは怪物そのものではなく、作った博士の名前だったということを初めて知りました。




              7.青翰堂分店さん
              『いいビルの写真集』『いい階段の写真集』 BMC(ビルマニアカフェ)

               関西の方の本、ということでお持ちいただいたサイ本はその名の通り、古いビルや階段の写真集。1950〜70年代の大阪のビルということですが、「どやっ!」というパワーが宿っているそうです。カルチャーショックを感じつつ、かっこいいビルや階段に萌えることができます。年月を重ねたものの味わいをビルで感じるのも、一興ですね。



               
               以上、七人七様のサイ、いかがだったでしょうか。文化論から実用書に仏教典、小説に写真集と、あまりにジャンルの異なる本が並び、思惑通りに楽しませていただきました。
               ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。 




               

              一箱古本市@山形(2014.10.11)、終了しました

              0
                2014.10.11の一箱古本市@山形は無事に終了しました。

                店主のみなさま、ご来場のみなさま、ありがとうございました!



                 消しゴムはんこブックカバーづくりコーナー 盛況でした!

                 読書サークル展示 見応えがありました




                 

                一箱古本市@山形(2014.10.11)関連イベント情報

                0

                  一箱古本市@山形当日、まなび館でのイベントです。↓

                  ■消しゴムはんこでブックカバーをつくろう/参加無料■

                  鳥谷部恵理子先生の作品をお借りして、自由にブックカバー(文庫)を作ります。
                  先生からのアドバイスを受けることもできます〜♪
                  自分だけのおしゃれなカバー、おもしろいカバーをつくってみませんか!
                  申込み不要で随時開催ですので、お気軽に是非ご参加ください。

                  開催時間 午前11時〜午後3時 
                  場所:まなび館多目的ルーム(入口から左側廊下つき当りの奥です)


                  また当日は、隣接する七日町商店街が歩行者天国となります。

                  七日町商店街のホームページ

                  七日町商店街のFacebook


                  「七日町クラフト天国」「ハロウィン仮装パレード」なども開催されるようです。
                  こちらも楽しみですね。




                   


                  一箱古本市@山形(2014.10.11)、店主さん紹介

                  0

                    一箱古本市@山形(2014.10.11)、店主さんの紹介です!

                     


                    1. たまや
                    漫画と古本です。スピリチュアル系が多め。
                     


                    2. 亡羊堂
                    推理/SFを中心にちょっと珍しい絶版文庫(サンリオSF文庫など)、非ベストセラー文芸書から美術書、雑誌まで幅広く出品します。ニッチな分野ですが、是非 お寄りください。
                    No book, No life!
                     


                    3.ロロ美容室
                    これもありか!? 古本+ちょっとアメリカ古着、売ります。暇な方、ロロのホームページ見て下さいなっ。http://www.rorobiyousitu.aranjuezcafe.com/
                     


                    4.ななみやたかちん
                    隣の宮城県から出店します。おととし参加して、とても楽しい思い出ができました。今回も戦前の古い文庫本を中心に出品します。よろしくお願いします。
                     


                    5. 吉田屋遠古堂
                    あるときは絵本屋さん。またある時はサブカル・美術書店。そして今回は…どんな本がお目見えするか、当日のお楽しみです!! http://blog.goo.ne.jp/bow1965
                     


                    6. 山山
                    今回も古本に加えて、自作のzine、artbookを出品します。春に出品した「comic」と新しく作った本も持って行く予定です。
                     


                    7. はてなや
                    読み終わった本を処分させていただきます。
                     


                    8. カムパネルラ書房
                    本のページを開きながら、ちょっと思考の旅に出かけませんか?不思議なもの、美しいもの、いろんな本を準備して、あなたを魅惑の旅にご案内します。
                     


                    9. ラ・リルレロ
                    木で小さいお家やお店とか電車、バスなど作っております。七日町のクラフト天国にも出ています。
                     


                    10.いちご
                    一期一会のいちごです。出会いも一期一会ですね。本を通してステキな出会いをしましょう❤
                     


                    11. 結晶堂
                    アート系の本、絵本、漫画、小説などいろいろな本を準備してお待ちしています* 食欲の秋ということで、ごはん関係のコーナーも作る予定です!
                     


                    12.かまねこ文庫
                    岩手から初参加します。昭和の香りを感じるものや、懐かしかったり、可愛かったり、へんてこだったりする本を取り揃えてお待ちしております! ツイッター→@kamanekobunko
                     


                    13. 愚者の楽園
                    「茶色い一箱古本屋」こと愚者の楽園です。秋の夜長に、ちょっと教養が深まるような本を取り揃えております。小難しい本が多いですが、店主は気さく!皆様お気軽にどうぞ。
                     


                    14.カジワラ珈琲
                    持ってるだけでおしゃれに見えるアートっぽい雑誌や、持ってるだけで賢そうに見えるビジネス書、持つのが大変なレンガ系小説など。浮き足立ったラインナップで参加いたします。よろしくお願いします。
                     


                    15.  一月のめ堂
                    久しぶりに帰って来ました。硬軟取り合わせて、みなさんに楽しんでいただけますよう準備しています。よろしくお願いします。
                     


                    16. en堂書房
                    絵本、児童書、コミックスなどをご用意してお待ちいたしております。ぜひお立ち寄り下さい!
                     


                    17. 西口書店
                    西口、「ふらっと」古本屋はじめました。
                     


                    18.青翰堂分店(せいかんどうぶんてん)
                    新しめの多ジャンル本と、とびきり古くておもしろい紙もの(切手・絵葉書)を揃えました。ネットでもゆるっと開店中!
                    http://seikando-bunten.ocnk.net/
                     


                    19. 灯書房
                    秋田市からの出店参加です。どこにでもある古本ですが、地元出版本等なかなか見かけない本も持参します。是非、足をお運びください 
                     


                    20. ばったりたおれ屋
                    写真・イラストなどのアート系、暮らし・雑貨・インテリア関連、絵本など。 「おたま」もあるよ。
                    https://twitter.com/battaritaoreya
                     


                    21. ほんきこ。+BBO
                    飽きずにミニコミ誌を発行し続け11年。メンバー持ち寄りのノンジャンルの本を持っていきます。小説、雑誌、ノンフィクション、漫画、何でもござれ。やっと一年ぶりに発行した「ほんきこ。」54号も持っていきます。読んでけろっし!
                     


                    22. 葉っぱ屋(はっぱや)
                    はじめまして、葉っぱ屋です。ブックメイドがあなたと本の出会いをお手伝い!エッセイ本・小説メインで色々取り揃えております。
                     


                    23. うさたまブックス
                    母が10年以上前に買った「すてきな奥さん」を始め、実家の本棚に眠っていた雑誌や本などを置いています。少しですが鉛筆やノートなど文房具もあります。お気軽にお立ち寄り下さいませ。
                     


                    24. RAINBOW BOOKS
                    昨年は雨だったので、今回は晴れることを祈って沢山の良い本をもっていきます。
                    よろしくお願いいたします。
                     


                    25. 雨宿り屋
                    初参加です。ちょっと手離したくない本も売ろうかな…。友達はきつねのおでん屋にうさぎの洋裁店。どうぞよろしくお願いいたします。
                     


                    26. スクランブルエッグ
                    今年も同人誌を中心に販売します。どうぞよろしくおねがいします。
                     


                    27. books そら
                    小学生の娘と母の本屋です。久しぶりの出店となります。「こども店長」と一緒にのんびり「紙小物づくり」をしています。 秋の空を眺めながらお散歩がてらお立ち寄り下さい♪
                     


                    28. はみだし書房
                    わが家の書棚からはみ出した本…絵本ほか、雑誌などの在庫を放出します。
                     


                    29. icco文庫(いっこぶんこ)
                    今回は、平子理沙まつり、やりたいと思います!平子理沙ファンでなくても、寄ってくださ〜〜い(^o^)笑
                     


                    30.はじめての本屋さん
                    とても古い様々な本がそろっています。
                     


                    31. はなみずき
                    どんな方が来て下さるか楽しみです。片づけや処分するのがもったいないので、古本市に出店することにしました。気に入っていただける本があれば嬉しいです。
                     



                    以上、計31店の出店です!




                     


                    一箱古本市@山形(2014.10.11)開催のお知らせ

                    0
                      この秋も一箱古本市を開催する事になりましたので、ご案内いたします。



                      当日の山形市中心街は、絵本作家の荒井良二さんが芸術監督を務める芸術祭

                      山形ビエンナーレ」や、歩行者天国でのクラフトマーケットが開催予定となっています。



                      本とアートの秋の一日を一緒に楽しみませんか?



                      【日時】

                      2014年10月11日(土)10時〜16時

                      ※雨天決行



                      【場所】

                      山形まなび館・前庭 (荒天時は館内1F廊下)



                      【申し込み方法】

                      下記6項目を明記の上、メールか電話で申し込みください。

                      ※メールの件名は『一箱古本市申し込み』でお願いします。



                      (1) 住所

                      (2)氏名

                      (3)電話番号

                      (4)メールアドレス

                      (5)屋号(お店の名前)

                      (6)お店の紹介(100文字以内)



                      【申し込み先】

                      ・一箱古本市@山形事務局 (五十嵐)

                      185yamagata@gmail.com

                      TEL 090-9877-8039



                      ・山形まなび館

                      info@yamagatamanabikan.jp

                      TEL 023-623-2285



                      ※詳しい募集要項はこちら



                      何かありましたら、お気軽にメールやお電話でご相談くださいませ。



                      また今回は、消しゴムはんこを使ってブックカバーを作るワークショップも開催します。(参加費無料)

                      ご参加を心よりお待ちしています!





                      ※一箱古本市については、こちら








                       


                      カテゴリー



                      最新の記事

                      最近のコメント

                      • 一箱古本市@山形、無事に終了しました。
                        春るるる
                      • 8/4「185(ひとはこ)読書会」開催のお知らせ
                        かや
                      • 一箱古本市@山形(2012.9.9)募集要項
                        吉田屋遠古堂

                      リンク



                      アーカイブ

                      qrcode

                      PR